グラビア印刷と軟包装について

菓子や食品のパッケージに欠かせない、軟包装。その印刷方法はグラビア印刷が主流となっています。
今回はその基礎知識をまとめてみました。

 

グラビア印刷とは金属製の版に模様を彫り込んでフイルムに転写する印刷方法です。版は現在ほぼロボットが行いますが、ヘリオ、オハイオ、バルカスなど製版会社ごとの違いがあったりします。

 

主に軟包装のフィルムに使われているフィルムの材質はOP、CP、LL、PET、NYなどなど。それぞれの詳細は別途お伝えしたいと思います。
適合したフィルムを貼り合わせることで、脱酸素ができるようになったり、フィルムにコシを持たせたり、まず包む中身のお菓子のことを考えてフィルム構成を選びます。

 

複合材となるフィルムは主にラミネートという手法で合体させます。2枚以上のフィルムを接着剤やポリエチレンで貼り合わせます。そして表にくるフィルムに裏印刷をして、フイルムで挟むことでインクが擦れ落ちないという特性が生かされることとなります。

 

主なラミネートは、次の2つです。ドライラミネートと押し出しラミネートといいます。
押し出しは主に前出のポリエチレンなどの樹脂を素材の間に流し込んで貼り合わせます。
ドライラミネートは接着剤を素材に塗布して乾燥させて熱と圧力で張り合わせます。

 

用途別では、生野菜などを保存するもの、あられや煎餅などを乾燥剤と一緒に包むフィルム、真空ボイルをするもの、バリアナイロンLL、中身の保持に良い蒸着PET、香りが強いもの用などなど。その他にも冷凍食品に向いたもの。日光を避けたいもの、突き刺し防止や強度を強くしたいもの等、用途に合わせて構成を考えるのがパッケージコーディネーターとしての役割です。

 

酸素を通さないためにはバリア性フィルム、遮光性を持たせるためにはアルミ箔やアルミ蒸着フィルムを使います。注意点として、アルミを吹き付けてあるアルミ蒸着では完全に光を遮断することができないので、完全な遮光にはアルミ箔を使うなどもあります。

 

ラミネートするナイロンに、レーヨンとか雲龍の和紙系に見える材質をの貼り合わせたりとか、マット調(すりガラス調)にはマットOPフィルムとか、透明以外のマットを選ぶこととか、防曇の加工をするとか、内容に合わせてアレンジができます。

 

まず、包む、お菓子、形、大きさ、脱酸素剤を入れるか、乾燥剤を入れるか、何も入れないかをお伺いし最適な構成をご提案いたします。

 

意外と重要なのは包み方。製袋加工という袋状に加工する場合、まっすぐ普通に製袋してシールするだけだったら影響がないですが、織り込んで帯をするなど、そうするとその角のところがピンホールしやすかったりするので、最適なクライアント様に合った包み方も詳しくご提案することが可能です。

 

 

マーケティング部 谷村