格差広がれど

昨今インフレがかなり進み、その以前からの影響もあって、社会の中にだいぶ格差が広がったと感じている方は多いのではないだろうか。

マスコミでも格差の話題は多く取り上げられているが、実際にエッセンシャルワーカーの方々やいろいろな世間の情報を見ると、社会的には一部の人に富が集中してしまって収入も含めて相当な格差が広がっているように思えるのは私だけではないと思う。

そんな中で外食産業などはサイゼリヤさんを始めとした庶民に本当にありがたいファーストフードレストランなどがあり、ますます存在感を増しているように思えるが、お菓子はどうだろうか?

よくよく調べてみると、従来からの専門店のお菓子、そしてコンビニのお菓子、そしてスーパーなどで売っているお菓子を見ると、一部ドラッグストアなどにかなり安いものがあるが、他の食品ほど価格差があまりないように思える。食品に至ってはピザ1枚が500円もいかずに食べれるものから数千円するものまでかなりの格差があるのに、お菓子はそうなっていない。

このあたりは意外な盲点なのではないかと思われる。

ただ昔からの専門ではない新勢力の菓子店が、内容に比べてかなりの高単価で販売されている菓子も多く、一部の人の間でもてはやされているようだが、最近リッチになった人々はあまり味を知らないのではないだろうか。流行りや消費傾向を見るにつけそう思えて仕方ない。

そういった方々はいろいろマスコミも含めた評判をきき、試食せずブランドなどで菓子を選んでいて、お菓子については人に贈る場合でも、自分が食べていないケースが多い。食べる本人も、実はあまり味をわかっていないと言う事実が見え隠れしている。

その証拠に古くからの名店が作るお菓子をもうほとんどの方が最近食べてなかったり、売り上げもあまり芳しくない状況があったりするが、改めて食してみると非常によく完成され洗練されたものということがわかる。その代表格は羊羹や最中ではないだろうか。羊羹のおいしさを噛み締めて本当に味を楽しむことができたら、菓子好きとしてはいい舌を持っていると唸らずにはいられない。

いくらお金で裕福になっても、菓子を批評できる位の舌に行き着くには一朝一夕ではできないのである。

代表取締役 尾関 勇