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東急東横線西小山駅から、桜並木通りを歩くこと5分。通りのかどっこに、その店はありました。「焼き菓子専門店Cuisson Lucca」 (キュイソン ルカ) は、落ち着いたアンティークの什器にジャズが流れるシックな空間です。2013年3月にこの店を立ち上げたオーナーパティシエの野澤さんは、お菓子作りが趣味だった元商社マン。3店舗での修行を経て、ある程度土地勘のあるこの街に出店したそうです。

平台にずらりと並ぶ焼菓子のビジュアルはシンプル+スタイリッシュ、だけどもそのビジュアルやお店の雰囲気から想像したより価格設定は良心的で、ついついあれもこれもとかごに入れてしまいます。

そして実際にいただいてみたら洗練された味と香りの良さにびっくり。その最大の理由は、『長く保存されがちな焼き菓子の賞味期限を、焼きたてとほとんど変わらない美味しさが味わえる「8日間」とすることで、風味豊かな焼き菓子の本来の美味しさをお届けしたい』というこの店のコンセプト。しかもそれを、保存料も使わず冷凍保存もせず成立させているというのがすごい。実際買い求めた焼き菓子の原材料表示に保存料は一切なく、個包装の中に鮮度保持剤が入っていたのもたった1個(確かブールドネージュだったかな?)でした。

出来立てがいちばん美味しいのは自明ですが、商業ベースでは効率やコストもからむこと。オーナーさんのお菓子への愛情と気概を感じつつ、自宅で贅沢なティータイムを楽しんだのでした。ちなみに私の一押しはガトーバスク、ホールで食べたいくらい(笑)。 女子はもちろんスーツの男性の心もくすぐるキュートなアイシングクッキー (写真)もオススメです。

■キュイソン ルカ
住所:東京都品川区小山5‐25‐10
平岡マンション1C
TEL:03-6421-5535
営業時間:10:00-20:00
定休日:火曜日
http://cuisson-lucca.com/

(text&photo by菊池 和美)
 




「面白いプリン屋さんがある。」

そう言うシェフが書いてくれた地図らしきものを片手に、代々木上原へとやってきた。駅と書いた丸印から、線路を意味するであろう蛇のような線がひょろっと伸び、その途中に「この辺」と記された端切れ。地図としての精度はおいておくとして、問題は「この辺」と書いた下にある「1.5」の数字である。

「何ですかこれは?」
「行けば分かるよ」

そういうことなら相わかりましたということで、宝探しの気分で線路沿いをきたものの、この辺とはどの辺なのかしら。鼻歌に不安が混じり始めたころ、蛇の腹のあたりで、「This Way/POPOCATE」の立札が現れた。洒落た先導ご苦労さんと立札に会釈して、鼻歌に節をつけつつ横道へ入る。

なるほど「1.5」か。しばらく考えてみたものの、これ以上の表現はなかった。冷ケースが地上から1.5の位置に浮いている。ように見える。階段があるから、かろうじてお店らしさを保っているものの、「店内スペース」はない。窓から階段がはえているといった方が、あるいは適当かもしれない。

階段の一番上に立つと、女性の方が窓を開けてくれた。既にいくつかは売り切れてしまっていたが、お目当てのものは残っていたので、「POPOかた」「POPOやわ」をお願いする。「1.5ですね」と声を掛けてみたところ、「普通の一軒家を改造しました」ということで。この手の質問には慣れているのだろう。

宙に浮かぶプリン屋とは、何ともメルヘンで、甘美な…と酔っていたら、階段の上にいることを忘れて足元を危うくする。

カラメルは少な目だが、卵臭さを感じさせない楚々たる生地の味わいは、調律がとれている。鼻抜けが良いのは、バニラビーンズがほのかに香るからだ。「かた」「やわ」の食感のコントラスが面白い。丁寧に、そして真剣に向かう作り手の姿勢が、きっとこの真っ直ぐな味を生んでいるのだろう。

謎の紙きれが導く先は黄金ではなかったが、それ以上に輝く玲瓏たる宝物だった。とある文豪が、「真の美というものは、たいへん簡明で、誰にでもわかりやすい。」といっていたことを思い出した。

後日、あの紙切れは、友人へ手渡すことにした。

「何これ?」
「宝探し。」

 

■POPOCATE(ポポカテ)
住所:東京都渋谷区元代々木町23-4
電話:03-5738-8533
営業時間:12:00〜19:00(日祝11:00〜18:00)
定休日:月曜日
http://popocate.com

(text&photo by竹野由航)



 




 

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