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2013年3月、新宿・渋谷方面に直通する、湘南新宿ラインの停車駅となった浦和駅。埼玉県庁やさいたま市役所などの最寄り駅です。その浦和駅より徒歩圏内に狛犬ならぬコマウサギのうさぎ神社として有名な調神社(つきのみやじんじゃ)へ向かう通りの途中に、老舗お茶屋さんの営む日本茶カフェ『楽風』があります。

明治時代に建てられた、お茶の保管に使っていた納屋を改築して現在のオーナーが20年前に始められたお店です。入り口でスリッパに履き替え、大きな格子戸を開け中へ・・・。喫茶とともにギャラリーを兼ね、1階の一部に陶器などの作品が展示販売されており、2階はギャラリーとなっています。

メニューは珈琲、紅茶もありますが、やはりメインは日本茶です。7種類の温かいお茶と2種類の冷たいお茶、迷った時はその月お勧めのお茶を楽しむのが良いかと思われます。好みのお茶のお供には、日替わりで和菓子か洋菓子をセットすることもできます。

選んだのは、この月お勧めの茎茶・和菓子セットと冷煎茶・洋菓子セット。和菓子は「潮干狩り」という味噌饅頭。味噌のコクと控えめな甘さが上品なお菓子でした。こちらの和菓子は、お茶会用の和菓子を作っていらっしゃる方からのお取り寄せだそうです。洋菓子は「ショコラショートケーキ」、昔ながらの素朴で懐かしい味わい、チョコレートの香ばしさが心地よい今どきの味に食べ慣れていても美味しいケーキです。こちらも地元で人気店のケーキ屋さんのケーキとのことです。地域の繋がりが感じられ心温まります。

お茶は一煎目はお店にて淹れて頂けますが、2煎目からは「湯さまし」という器に、茶釜のお湯を汲み自分で淹れ3煎目までは美味しく楽しめるとのことです。しかし、こちらで頂くお茶の美味さは、自宅で淹れたものとはまるで違うもの・・・どんなに高級な茶葉を買ったとしてもお店で淹れてくれたお茶のように、まろやかで甘みととろみ、舌にまとわる深い味わいになるとは思えなのです。これが日本茶?初めて本当に日本茶を飲んだのではないだろうか。これが職人技!!衝撃と感激です。

時代を経た木造建築の醸し出す温もりや風情は、人工的な建物では決して表現できない雰囲気。季節によって、いろいろな景色が楽しめる庭、店内を流れるのんびりとした空気。オーナーを始めお店の方々の、お客様に対する優しく温かな気持ち。美味しいお茶と一緒に癒しを提供してくれる空間。造られたものではなく、自然体で存在するからこそ居心地がよくゆったりと時間が過ごすことができる、まさに大人のための日本茶喫茶です。とてものんびりさせてもらいました。


■楽風(らふ)
埼玉県さいたま市浦和区岸町4-25-12
TEL:048-825-3910 
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日

(text & photo by 加藤 昌子)

 

 





イタリアのお菓子やさんは「パスティッチェリア」と呼ばれます。聞き慣れないこの言葉は、「パスタ」が由来なのだとか。「パスタ」とは本来、「穀物を粉にしてこねた生地」を指すのだそう。この生地に、豆・フルーツ・はちみつなどを混ぜてオーブンで焼いたものがイタリア菓子の祖となり、現在に至っているため、イタリアのお菓子やさんは「パスティッチェリア」と呼ばれるのです。

先月イタリアを訪れた際、「パスティッチェリア」を覗く機会がありました。印象としては、とにかく質素。たとえば、パリのパティスリーのように、カラフルな生ケーキやマカロンできらきらと彩られているショーケースとはうってかわって、茶色い焼菓子が中心の、非常にシンプルな見た目です。

私は、イタリア菓子として有名な「ババ」と「スフォリアテッレ」を購入。食べる前にお菓子の詳細を調べてみたら・・・それぞれのお菓子が生まれた年代や地域、作られた理由などの背景がかなり詳しく伝承されていて、びっくり!

まず「ババ」は、ナポリの伝統菓子。パリで料理の教育を受けたナポリの料理人が、1800年代にナポリに持ち帰り、広めたのだとか。ラムのシロップに浸った、キノコ型の焼菓子です。そして「スフォリアテッレ」は、ナポリの修道院で生まれたお菓子。レシピは門外不出だったそうですが、とある菓子職人が1820年にレシピを入手してから、全土に広まったそう。パリパリと香ばしい生地でリコッタチーズのクリームを包んだ、食感の素晴らしいお菓子です。

もちろん、ほかのお菓子にも、明確な背景が存在しています。「謝肉祭や復活祭などの宗教行事用に生まれたお菓子」「婚礼儀式用に生まれたお菓子」「病気治癒を願うために生まれたお菓子」 などなど。元来、イタリア菓子を作る目的は、儀式的なものからだったようなので、見た目もシンプルなのかもしれません。このようにして、さまざまな時代にイタリア各地で生まれたお菓子が全土へと広まり、一堂に会した先が「パスティッチェリア」。イタリアのお菓子やさんは、まるで歴史館のようですね。歴史を感じながら食べるイタリア菓子。ロマンがあります。

ちなみに、私のおすすめのパスティッチェリアは、ビシッと制服を着た店員さんがにこやかに出迎えてくれる「D'angelo(ダンジェロ)」です。スペイン広場の近くに行かれた際には、ぜひどうぞ。

■D'angelo(ダンジェロ)
Via della croce 30,00187,Roma

(text & photo by 大町友美)

 





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